2021
11.07

〔16〕チラチラ見ながら…

グロリエッテ(新宿の洋菓子店)

新宿の洋菓子店で私はほとんど焼成呼ばれるセクションでした。

そのお店の製造室は1階から下に降りた地下1回で、製造室の扉を開けるとまずは、仕上げ室。

仕上げ室?仕上げ?

なんて言っていたのか覚えていないですが、部屋が区切られている訳じゃないので、まぁ仕上げ場所ですね。

製造室に入って仕上げ場所があって、それを右に行った所にシェフの場所。

そのシェフの場所から左に行くと、そこには扉がってその奥がスポンジケーキとか焼く焼成室。

その焼成室が私の場所。

焼成室の扉のガラスからシェフが作業をしているのがいつも見えました。

わたしは、なんとかしてその仕事を見たくて、出来る限り早く来て出来る限り早く自分の作業を終わらせて。

シェフの仕事を見るようにしていました。

もちろん作業が早く終わると、他の作業をするのは当然ですが。

でも、出来るだけシェフの仕事を見ようとしていました。

とにかく自分の作業を早く終われせたい。

そう考えて、いつもやっていたのが「寝る前のイメージトレーニング!」

具体的にはどう考えていたかと言うと。

オーブンが2段あって、その日の焼く生地や焼き菓子の仕込みの時間と焼き時間、オーブンを1段使うのか2段とも使うのか。

それを考えて、頭の中でシュミレーションするんです。

あれを焼いている間に、これの準備をして、この生地は一段しか使わないから…。

みたいな。

すると、翌日出勤してから、すでにやった作業を繰り返すような感じで。

作業が、スパスパ進みます。

「寝る前のイメージトレーニング!」重要です。

ある時の話!

シェフが「針チョコ」を作っていたんです。

針チョコって言うのは、大理石の台に薄くチョコを伸ばしてナイフで削りながら巻いて針のようにするんです。

それをリズミカルにやるんです。

よくシェフが「針チョコはリズムだから」って笑いながら言われていました。

いつもチラチラその作業を私は見ていて。

ある瞬間です。

仕上げの方から、「シェフお電話です!」と声が。

シェフは針チョコの作業の途中で離れて電話の方に。

私は思わず、「おお!やるか!やっちゃえ!」心の中の声!

シェフのやりかけている作業の続きをドキドキしながらやったんです。

そして、シェフが戻ってきて。

どうなったかと言うと。

シェフは何も言わないで他の作業を始めていました。

それから、その作業は私がやっていました!

未だに記憶に残ってます。

コメント

  • コメント (2)

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    • 高橋
    • 2021年 11月 12日 10:57am

    文字が拡大できないので、読めません…

      • fujita
      • 2021年 11月 13日 5:15pm

      今後は、文字のサイズを大きくします。
      よろしくお願いします。