2021
10.16

〔13〕新宿の洋菓子店時代 「記憶に残る言葉その1」

グロリエッテ(新宿の洋菓子店)

大阪から東京に引っ越して、毎日電車で中央線の立川駅から新宿駅への通勤でした。

新宿中村屋ではいろんな形態の従業員がいて、社員以外にも契約社員とか季節雇用?なんとかとか、

なぜか、いろんな形態がありました。さすが大都会なのか老舗の会社なのか。

私はと言うと、確か季節雇用として入ったんだと思います。

まぁ、形態は何でも同じですよね。

働ければ、仕事を覚えられればなんでもOKでした。

社員食堂もあって、定食とカレーが選べるようになっていてさすが、カレーの有名な所だなぁーって思いました。

新宿中村屋のカレー、美味しいです。

いまだと通販で取り寄せて食べたりしてます。

冷凍のチキンカリーが好きです。

聞いた話では当時、カレーを作るのにインドから職人を呼んでその職人の給与がその時の総理大臣より高かったとか聞いた事があります。

材料もすごかったらしく、カレーの値段も一般の価格の10倍になったとか。

でもそれで文化人がたくさん集まるサロンのようになっていたとか聞いた事があります。

すごいですよね。

そこに毎日、立川からで電車で通っていました。

朝、電車を降りて新宿中村屋の裏口に着くと、そこには守衛室があってあまり早く行っても扉が開いていないので開く時間のタイミングでの出勤です。

グロリエッテの製造は地下にあって窓がないので、日中は外が雨なのか晴れなのかさっぱりわかりませんでしたが楽しかったです。

大阪でやっていた事とは全然ちがう事がたくさんあってとても刺激的な毎日でしたね。

その当時なのでまだ22歳か23歳の頃ですね。

新宿でよく食べに行ったのが、アルタの裏の方にあった「アカシア」ってロールキャベツのお店、それに「桂花ラーメン」。

よく行きました。

オレンジのリキューで「グランマニエ」ってのがあるんです。

スペルはフランス語で、「Grand Marnier」なんですが、これが大阪にいた頃は「グランマルニエ」って言っていたんです。

確か専門学校の時も「グランマルニエ」って言っていたような気がします。

これがグロリエッテでは「グランマニエ」でした。

てっきり、違う私の知らないお酒かと思いました。

フランス語だとほとんど「R」は発音しないので、耳で聞けば「グランマニエ」が正しい気がします。

もちろんどっちも正しいですね。

「日持ちをさせる事を考えるより、早く食べてもらう事を考えた方がいい」

新宿で働いている時にシェフが言っていた言葉です。

その言葉は今でもすごく重要で基本になってます。

それは、 お菓子の事だけじゃなくて全ての事で同じだと感じています。

私の友人が以前に私に、藤田さん、よく、「そもそも」っていいますよね。っと言っていました。

私は、いつも話す時に「そもそも」って言ってんだなぁーって気づいたのですが。

「そもそも」ってのも私にとっては始まりは、あの時の言葉だったと思います。

なぜ、日持ちをさせるのか?

それを考えていくと、「そもそも」が出てきます。

そもそも何がしたいのか?

「美味しいものを食べてもらいたい」が始まりで。

「美味しい状態を長く続かせたい」に変わったんですよね。

1週間後に食べても、2週間後に食べても。

それで、何か添加物を入れるより。

原点に戻って「早く食べてもらう方法」を考える方がいいですよね。

いつも、何かを考えてると、考えの先にいくつかの分岐点があって、気がついたら考えがややこしくなって違う事になってる時があって。

でもそんな時、「そもそもそれはなんの為の事?」

「私は何がしたいんだっけ?」って思う時があって

それで考え直すと、とてもシンプルでいい考えにまとまります。

コメント

  • コメント (2)

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    • 匿名
    • 2021年 10月 18日 6:56pm

    環境の変化も楽しんでおられるのが、すごいです。確かに家庭でも、美味しいものは、すぐになくなります。時に、いない間になくなってますが(笑)目の前はあると、素通りできない魅力があります。そんなスイーツを作り続けているのは、これまたすごいです。シンプルな考えがいい考えということ、同感です。真っ直ぐな考えが分かりやすいです。

      • fujita
      • 2021年 10月 19日 11:27am

      ありがとうございます。
      その頃は、目の前に現れるもの全てが新しい感じでした。
      それに、シンプルに考える事が一番重要であり、一番の近道でもある事を教えてもらいました。
      すごく良い経験でした。