2023
12.23

〔51〕わずか9ヶ月で複雑な気持ちを抱えたまま。

徳島

1996年の頃の事です。

その時すでに付き合っていた女性(今の妻)がいて、実家は徳島で鉄工の会社をしていたのですが、3姉妹で跡を継ぐ人が居ないとの事。それで私たちが結婚したと言うと出来れば会社を継いでほしい、ダメもとで一度やってほしいとの事。

全然違う業種ではあったのですが、それはそれで面白そうだとも思い。やってみる事に。

それで、ロイズレストラン東京を日本でやっていたソーホーズの月川社長に、退職して結婚して徳島で鉄鋼の仕事に就く事を伝えました。この時、月川社長が言ったのは「お前の結婚式出るからな!」でした。

その後、私は退職してマウイ島で両家の兄弟だけで結婚式を挙げたのですがそこに月川社長が来てくださっていました。「ほんと月川社長はすごい人だなぁーってつくづく思いました」。

結婚式はマウイ島のワイレアのチャペルの付いたホテルで挙げたのですが、話ではこのあたりは「雨が少なくて年に3回くらいしか降らないよ」と言う話だったのですが…

当日の朝!「土砂降り!!」年に3回に当たった。まぁある意味では運がいいとも言えるけど。とも思いながら、まぁ雨なのは仕方ない。そう言えばそこに出かけても雨の日が多かった。2人とも雨女と雨男だった事を思い出しました(笑)

それでも、まぁ無事にマウイ島での結婚式を終えて、一度日本に帰国。その後、ニューカレドニアへ行きそこから出ている「CLUBMED2」ってでっかい帆船で新婚旅行。貯めたお金を全部使い果たす感じでした。

そこから帰ったのは徳島県。部屋は新しく出来た賃貸のマンションを借りて新しい生活、新しい仕事。

全く新しい仕事で、私はここではベンダーと呼ばれるパイプを曲げる機械や溶接、旋盤、フライス盤も使いました。仕事は何気に面白く、実は心の中では「洋菓子の製造に器具は必須、何か作れたりするんではないか」とも考えて、ここをやりながら洋菓子店を出せないかと考えていました。

昔から、「何かをやりながら何かのプロフェッショナル」的な事が好きで、点と点(違うことと違うこと)が繋がってすごい事が出来るんではないかとも考えていました。全然違う職業だけど共通点もあるとも思っていました。

自分なりの面白いエピソードが一つあります。それはマンションとかの扉によく付いていたアルミに飾り、あれを曲げる仕事があったんですが、全て手作業。気で出来た型にアルミを添わして手で曲げると言うもの、ただ曲げた時に歪みが出てしまい、その歪みを手で修正する作業が加わる。

その作業を私がする事になって、その作業自体は以前にいた仕事の速い人だと1日に300本くらい曲げていたんだが、今の担当者は1日に100本しか曲げれないんだ。そう聞いていて。私もやったんですが、結構大変。曲げるのは簡単だけど歪みを取るのに時間がかかる。

数本やって何かいい方法はないかと考えて…

思い至ったのが、「そうだ、そもそも歪まないように曲げれないだろうか?」と言うもの。

歪む原因は、手作業による力のばらつきなんではないかとも考えて。自分なりに金属の角パイプを組み合わせて弓状に曲げて均等に力のかかるような器具を作ったんです。

そうしたら、なんと、歪まないように曲がりました!

今でもそうですが思い込みによって複雑になってしまう。よく友人から言われます藤田さん「そもそも」って言葉をよく言いますよね。と。

そもそも何をやりたかったのかの原点を常に考えないと本当は簡単な事なのに複雑になってしまいますよね。

妻の実家の金属の加工の仕事は私の力不足なのと人間的にも未熟なのもあってどうも上手くいかなくて、複雑な気持ちを抱えながら約9ヶ月でまた東京に戻る事を決意。でも全く違う職業だったのもあっていい経験になったんだと思います。でもいい経験ってだけではなんの未来もない事は自分が一番よくわかっています。

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