教授時代の担当科目・受賞歴・研究業績一覧
1.徳島文理大学教授時代の担当科目
徳島文理大学の人間生活学部人間生活学科と大学院人間生活学研究科
衛生学,公衆衛生学,公衆衛生学実習,専門ゼミナール 等
食品生化学特論,食品生化学特別実習,生活文化特論 等
合計 326.25時間/週
2.受賞歴
昭和57年11月 徳島県警察本部交通部長内賞(石井町において発生のひき逃げ犯人特定の功労)
昭和58年 2月 徳島県警察本部長賞(第20回徳島県警察職員及び家族趣味の作品展,写真の部入選)
昭和60年 5月 徳島県警察本部長賞誉(頭髪に微量付着成分からの整髪料の銘柄識別方法の開発の功労)
昭和61年 3月 徳島県警察本部刑事部長内賞(ヒト胃液中における前立腺由来酸性ホスファターゼの安定性についての研究功労)
昭和61年 7月 徳島県警察本部長賞詞(職務精励による治安維持の功労)
昭和62年 6月 徳島県警察本部刑事部長内賞(板野町において発生の強盗殺人事件の被疑者検挙功労)
平成 2年 7月 徳島県警察本部長賞詞(頭髪用化粧品類に関する裁判化学的研究により薬学博士の学位取得し,鑑識科学の権威を高めた功労)
平成 2年10月 徳島県警察本部長賞(第24回徳島県警察職員及び家族趣味の作品展,写真の部入選)
平成 2年11月 警察庁長官賞詞(頭髪用化粧品類に関する裁判化学的研究により精度の高い毛髪の異同識別法の確立し,科学警察の発展向上に寄与した功労)
平成 5年 2月 徳島県警察本部長賞誉(高度な分析技術を駆使し,小松島において発生の強盗致傷事件の遺留眼鏡から被疑者の血液型を判定し,事件検挙に貢献した。)
平成 7年 4月 徳島県警察本部刑事部長内賞(卓抜した鑑識技術を駆使し,新町川において発生の殺人死体遺棄事件の数多い資料を鑑定し,早期に捜査活動に反映し,早期検挙解決に寄与した功労)
平成10年 6月 徳島県警察本部刑事部長内賞(鋭い洞察力と卓抜した鑑定技術を駆使した DNA 鑑定により,連続強姦未遂事件等の被疑者を検挙した功労)
平成10年 7月 徳島県警察本部長賞誉(多年の鑑定技術等の研究開発の成果を学術専門書「法医裁判化学」に執筆し,徳島県警察の威信を高めた。)
平成12年 2月 徳島県警察本部長賞誉(強姦未遂事件で高度な鑑定技術を駆使して,極めて困難とされるだ液の DNA 型の検出に成功し,被疑者特定に貢献した。)
平成16年 6月 徳島県警察本部長賞詞(25年職務精励による治安維持の功労)
平成16年 9月 徳島県警察本部長賞誉(個人識別,身元確認の DNA 型鑑定法の研究を国際法医学術誌に発表し,科学捜査力の高水準を国内外に示し,徳島県警察の威信を高めた。)
平成16年12月 徳島県警察本部刑事部長内賞(鋭敏な捜査感覚で,困難な状態の資料から DNA 鑑定を実施し,実母殺人死体遺棄事件の解決に貢献した。)
平成17年 5月 徳島県警察本部長賞誉(DNA 型鑑定の迅速検査技法を開発し,県警察の科学捜査力の高さを国内外に示し,徳島県警察の威信を高めた。)
平成17年12月 徳島県警察本部長賞誉(長期経過した血痕の付着時期を推定する手法を開発し,鑑識技術の発展向上に寄与した。)
平成18年 4月 徳島県警察本部長即賞(阿波市において発生の強盗致傷犯人特定の功労)
平成21年 7月 徳島県警察本部長賞詞(30年職務精励による治安維持の功労)
平成22年 3月 徳島県警察本部長警察功績章(多年にわたり職務に勉励し、多くの業績をあげ治安維持に尽くした功労)
令和 2年11月 学校法人村崎学園理事長表彰(10年以上、学園教育向上発展のため多大な貢献)
3.国際的な著書,論文,発表
(著書)
1)Encyclopedia of Analytical Science:1995年Academic Press (London),1655-1661
分析科学事典であり,法科学分野における毛髪鑑定の意義,組織学,解剖学見地からの毛髪の総論,基礎的な鑑定から始まり,最新の DNA 型鑑定までを解説した。
(論文)
1)Influence of post-mortem changes on DNA typing (D1S80, TH01, HLA DQA
1, and PM typing system); Case studies for personal identification:2004年
Legal Medicine,6,143-150
死体の採取試料,死後経過期間,発見場所,状態により,DNA 型の検出率が異なることを証明し,法医分野の個人識別の可能性を示した。
2)Estimation of the age of human bloodstains by electron paramagnetic resonance:2005年Forensic
Science International,152,39-43
犯罪鑑識において血痕の陳旧度の判定により死体の死亡時問を推定することができる。電子常磁性共鳴(EPR)法を用いて,長期に血痕の経過日数を判定する方法を開発した。3)Application
of FTA® technology to extraction of sperm DNA from mixed body fluids containing
semen:2006年Legal Medicine,8,43-47
混合体液から精子 DNA の簡易,迅速抽出法を開発し,性犯罪において,本法の有用性を証明した。
4)Dating of human blood by electron spin resonance spectroscopy:1989年Naturwissen-schaften,76,24-25
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期(270日)に血痕中のヘモグロビン分解を測定し,モグロビン分解過程を指標として,経過日数を判定する方法を開発した。
5)Population study of Y-chromosome STR haplotypes in Japanese from Tokushima:2005年International
Journal of Legal Medicine,119,172-176
徳島県在住の男性の9つの Y-STR 型を判定し,出現頻度から男性の個人識別における有用性が証明された。
(発表)
1)Application of FTA® technology to extracting sperm DNA from semen-mixed body
fluid:2005年 9月6th International Symposium on Advance in Legal Medicine
(Hamburg)
混合体液から精子の DNA の簡易,迅速抽出法を開発し,性犯罪において,本法の有用性を証明した
4.著書,論文,発表
(著書)
1)最新香粧品分析法:1995年 6月 フレグランスジャーナル社(東京)401-414
頭髪用化粧品の毛髪に残留する成分の抽出法及び GC,GC-MS 等による機器分析法を解説した。
2)Encyclopedia of Analytical Science:1995年Academic Press (London),1655-1661
分析科学事典であり,法科学分野における毛髪鑑定の意義,組織学,解剖学見地からの毛髪の総論,基礎的な鑑定から始まり,最新の DNA 型鑑定までを解説した。
3)第3版法医裁判化学:1998年 4月 廣川書店(東京),229-261,313-315.
法医学と裁判化学を組み合わせた教科書で,恩師 澤田英夫先生(元・徳島文理大学,岐阜薬科大学教授)と「生体成分の分析及び個人識別」,「鑑識科学」,「化学的要因による公害」を解説した。
4)薬毒物分析学辞典:2009年9月 廣川書店(東京)
大量破壊を引き起こすテロ対策等を目的とし,薬毒物の分析法を大学の学部生,研究者,技術者向けに解説する辞典である。「有機溶剤の機器等による分析」を担当し,解説する。
5)日本の法科学が科学であるために-改革に向けた提言:2021年3月 現代人文社(東京)
誤判に「科学鑑定」はどのように関 わったか.DNA鑑定、科学鑑定、形態比較鑑定、ポリグラフ検査の課題を検討.法科学の強化に向けた7つの提言.刑事裁判における「法科学」の重要性は,ますます認識されるようになってきている.しかし誤った科学的鑑定による誤判の例も,報告されている.法学者と科学者が協力して日米の法科学の現状を分析し,進めるべき改革の方向を提言する.
(論文)
1)ヒト胃液中における 前立腺由来酸性ホスファターゼの安定性について:1985年11月 科学警察研究所報告(法科学編),38,173-177
精液が胃液と混合した場合,精液中の前立腺由来酸性ホスファターゼ活性は,pHにより安定性が異なることを証明し,精液証明の限界を示した。
2)胃液中にみられた精子証明の一鑑定例:1987年 8月 科学警察研究所報告(法科学編),40,179-181
女性変死者の胃液から,精子を証明し,前立腺由来酸性ホスファターゼ,血液型が検出可能であることを証明した。
3)毛髪の裁判化学的研究(第1報)毛髪付着残留成分による頭髪用化粧品類の銘柄識別について(その1):1987年 衛生化学,33,321-327
頭髪用化粧品(ヘアリキッド,ヘアトニック,ヘアシャンプー,ヘアリンス)の毛髪に残留する成分の抽出法,GC 及び GC-MS 分析法を開発し,銘柄の推定の可能性を示した。
4)Forensic Chemical Study on Human Hair Ⅱ Identification of Brand of Women's
Hair Care Products by Remaining Components on Human Hair:1989年 衛生化学,35,37-48
女性用頭髪用化粧品(ヘアニック,ヘアトリートメント,ヘアクリーム,ウェーブセットローション)の毛髪に残留する成分を GC 及び GC-MS
分析し,銘柄の推定の可能性を示した。また,その成分の経時変化も示した。
5)Forensic Chemical Study on Human Hair. Ⅲ Identification of Oxidative
Dyes and Presumption of the Brands from Remaining Components on Human Hair.
:1989年 衛生化学,35,444-453
酸化染毛料の毛髪中に残留する成分を TLC,GC,PGC,GC-MS 及び PGC-MS 分析し,銘柄の推定の可能性を示した。
6)Forensic Chemical Study on Human Hair Ⅳ Identification of Brand of Hair
Sprays and Hair Growth Promoters by Components Remaining on Human Hair
and Example of Forensic Hair Examination:1990年 衛生化学,36,211-218
ヘアスプレー,育毛料の毛髪に残留する成分を GC 及び PGC-MS分析し,銘柄の推定の可能性を示した。これまでのデータを元に,傷害事件で現場採取の毛髪付着成分から被害者の使用したヘアスプレーを特定し,被疑者検挙に結びついた鑑定例を示した。
7)ヒト糞便中に存在する精液の検出証明法:1990年 2月 科学警察研究所報告(法科学編),43,35-41
ヒト糞便中に存在する精液の検出証明法を開発し,強制わいせつ事件の女性被害者の糞便から,組織学,免疫学,酵素学等の手法により,精子,血液型等を証明し,被疑者の血液型を推定した。
8)ESR 法による血痕経過日数の判定:1990年 磁気共鳴と医学,1,162-166
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期に血痕の経過日数を判定する方法を開発し,付着基質によるヘモグロビン分解の差違を証明した。
9)ESR 法による血痕経過日数の判定(第2報):1991年 磁気共鳴と医学,2,75-78
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期(約2年)に血痕中のヘモグロビン分解を測定し,付着基質,温度,光によるヘモグロビン分解の差違を証明した。
10)サンドイッチ・ハイブリダイゼーション法の人血証明への応用-新しい法医免疫学的人獣鑑別-:2000年 日本法医学雑誌,54,227-232
新しい法医免疫学的人獣鑑別法(サンドイッチ・ハイブリダイゼーション法)による人血証明法を開発し,さらに,その犯罪現場用器具を考案した。
11)連続強姦未遂事件において遺留された異なる資料からの血液型・DNA型鑑定による同一犯人の証明:2001年 DNA 多型,9,343-348
連続強姦未遂事件2件において,現場遺留の血痕,だ液から血液型,DNA 型を検出,同一犯の証明をし,被疑者を特定した。
12)Forensic identification of a vaginal fluid and saliva mixture through
DNA analysis:2003年 犯罪学雑誌,69,48-52
強姦未遂事件で被害者から採取された膣液からだ液の混在を証明,さらに血液型,DNA 型を検出し,被疑者の犯行を証明した。
13)失踪後約1年後に海中から発見された母子心中の親子鑑定例:2003年 犯罪学雑誌,69,75-79
夫殺害後,妻が子供を連れて,海中に無理心中し,1年後,発見され,その骨の血液型,DNA 型を検出し,親子関係を証明した。
14)Influence of post-mortem changes on DNA typing (D1S80, TH01, HLA DQA
1, and PM typing system); Case studies for personal identification:2004年
Legal Medicine,6,143-150
死体の採取試料,死後経過期間,発見場所,状態により,DNA 型の検出率が異なることを証明し,法医分野の個人識別の可能性を示した。
15)Application of AmpFlSTR ProfilerTM PCR Amplification kit for personal
identification of a putrefied cadaver:2004年 8月 The Journal of Medical Investigation,51,243-246
女性漂流死体から採取した爪,骨から血液型,DNA 型を検出し,家族の親子関係を証明した。腐敗死体の DNA 型検出の可能性を示した。
16)Estimation of the age of human bloodstains by electron paramagnetic
resonance spectroscopy : Long-term controlled experiment on the effects
of environmental factors:2005年 Forensic Science International,152,39-43
犯罪鑑識において血痕の陳旧度の判定により死体の死亡時問を推定することができる。電子常磁性共鳴(EPR)法を用いて,長期に血痕の経過日数を判定する方法を開発した。
17)Personal identification from a mixture of body fluid samples obtained
after a sex crime committed by multiple criminals:2005年12月 犯罪学雑誌,71,169-175
強姦事件において,精液と唾液の混合体液が付着した資料について個人識別を目的として Profiler Kit と3種類の Y-STRs を含む21種類の
DNA 多型検査を実施した結果,犯人特定できた。
18)Application of FTA® technology to extraction of sperm DNA from mixed
body fluids containing semen:2006年 Legal Medicine,8,43-47
混合体液から精子 DNA の簡易,迅速抽出法を開発し,性犯罪において,本法の有用性を証明した。
19)DNA型鑑定と精度管理~誤鑑定の防止策~:2011年10月 犯罪学雑誌,77,131-146
日本における犯罪鑑識のためのDNA型鑑定は1990年から始まり,現在に至っている。今回,このDNA鑑定の精度と管理を高めるに,検査技術以外の鑑定資料採取,鑑定作業,鑑定書作成時において発生する誤鑑定要因とその防止策を報告した。
20)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第1報~産地偽装のない安全と安心の食生活を目指して:2013年5月 DNA多型,21,86-93
ランダムプライマー40種類 を用いた RAPD 法により,徳島,愛媛,福岡,熊本の各県の特産物(合計10品)のDNA多型が確認された.ランダムプライマーOPB01を用いたマダケの多型性バンド1つのDNA配列を解析した.その配列をもとにSTS化プライマーTKN01-1,TKN01-2を作成し,それらによる徳島,愛媛,福岡,熊本の各県タケノコ(モウソウチク5品,マダケ3品)のPCR増幅産物に特異なバンドが確認でき,他の特産品には検出されなかった.プライマーTKN01-2では一部の品に副バンドが認められ,TKN01-1がタケノコ(モウソウチク,マダケ)の種識別に特異的なプライマーであった.
21)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第2報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して:2014年7月 DNA多型,22,170-173
徳島県の特産物,タケノコ(モウソウチク1品),鳴門金時(サツマイモ),鳴門生わかめ,すだち,洋蘭マリーローランサン(株根,葉の2品)計6品と福岡・熊本・愛媛の各県の特産物,タケノコ(モウソウチク3品,マダケ1品)計3品,合計10品において,Random
primer 40種類 (OPERON)を用いたRandom Amplified Polymorphic DNA(RAPD)法,TAクローニング,シークエンスにより,プライマーPT09-04を作成した.プライマーPT09-04により,試料9)洋蘭マリーローランサン・株根,10)同・葉のDNAによる品種識別が可能であった.
22)「法科学研究所」創設への提言~冤罪のない安全と安心の社会を目指して~:2015年2月 犯罪学雑誌,81,3-15
日本の犯罪捜査において,犯罪現場に遺留された物体などの大部分の鑑定は都道府県警察の科学捜査研究所(科捜研)で行っている.しかしながら,科捜研は警察の組織の中であるが故に,鑑定結果に対して中立性・客観性に疑念が持たれている.そこで,それらを向上させ,鑑定が関与する冤罪の絶無のための方策として,「法科学研究所(法科研)」の創設を検討した.
23)DNAによる肉種鑑別法の検討~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して~:2015年7月 DNA多型,23,49-51
電気泳動においてブタは約400bp,ヒツジは約350bp,ウシは約280bp,ニワトリは約200bpにバンドを確認することができた.食肉4種のPCR増幅産物をブタ,ヒツジ,ウシ,ニワトリ=1:2:1:1の割合で混ぜたところ,最適な肉種識別マーカーが作成できた.サイズマーカー(100bpラダーマーカー)と作成した肉種識別マーカーを同時に電気泳動することにより,より正確な肉種識別が可能であった.
24)犯罪捜査における DNA鑑定の問題点:2016年7月 犯罪学雑誌,82,74-79
日本の犯罪捜査の鑑定において,司法解剖は大学医学部法医学教室,犯罪現場に遺留された物体のDNAなどの検査は都道府県警察の科学捜査研究所(科捜研)で行っている.科捜研で未導入の鑑定については,警察庁科学警察研究所,大学の専門家が行うこともあるが,大部分の鑑定は科捜研が行っているのが現状である.しかし,科捜研は警察組織に設置されているが故に,特有の問題が生まれている.そこで,問題点を提起し,解決策を紹介する.
25)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第3報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して:2016年11月 DNA多型,24,119-122
徳島県の特産物であるタケノコ(モウソウチク1品),鳴門金時(サツマイモ),鳴門生わかめ,すだち,洋蘭マリーローランサン(株根,葉の2品)
計6品において,Random primer 40種類(OPERON)を用いたRandom Amplified Polymorphic DNA
(RAPD)法,TAクローニング,シークエンスにより,プライマー PT07-02を作成した.プライマーPT07-02により,鳴門生わかめのDNAによる品種識別が可能であった.今後,産地やその他の品種に特異性の高いプライマーを作成し,食品偽装のない消費者の安全と安心の食生活を目指す.
26)DNAによる徳島県特 産物の新・鑑定法~第4報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して:2017年8月 DNA多型,25,83-84
プライマー PT07-02を用いて,鳴門生わかめ(徳島県鳴門市),鳴門わかめ(徳島県鳴門市大毛島産),三陸わかめ(三陸重茂浜産/岩手県宮古市重茂)から得られたDNAを鋳型としてPCR増幅を行い,各PCR増幅産物について1.5%アガロースゲル電気泳動を行ったところ,鳴門生わかめに約200bpのバンドが認められ,それ以外の鳴門わかめ,三陸わかめには認められなかった.
プライマーPT07-02により,鳴門生わかめ,鳴門わかめ,三陸わかめの計3品において,徳島県鳴門市の鳴門生わかめの識別が可能であったが,今後,その他の原産地のわかめを検討する必要がある.
27)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第5報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して:2018年7月 DNA多型,26,81-85
徳島県の特産物であるタケノコ(モウソウチク1品),鳴門金時(サツマイモ),鳴門生わかめ,すだち,洋蘭マリーローランサン(株根,葉の2品)
計6品において,Random primer40種類(OPERON)を用いたRandom Amplified Polymorphic DNA (RAPD)法,TAクローニング,シークエンスにより,プライマー
PT08-02を作成した.プライマーPT08-02により,すだちのDNAによる品種識別が可能であった.今後,産地やその他の品種に特異性の高いプライマーを作成し,食品偽装のない消費者の安全と安心の食生活を目指す.
28)アメリカ合衆国におけるDNA型鑑定の検証と対策:2018年10月 犯罪学雑誌,84,130-134
アリゾナレポートによりアメリカで血縁関係のない2人のDNA型が9型一致したことから,冤罪絶無のため日本における DNA鑑定の検証が必要と考えられる.
29)DNAによる徳島県特 産物の新・鑑定法~第6 報~食品偽装のない安 全と安心の食生活を目 指して:2019年8月 DNA多型,27,66-70
徳島県の特産物であるタケノコ(モウソウチク1品),鳴門金時(サツマイモ),鳴門生わかめ,すだち,洋蘭マリーローランサン(株根,葉の2品)
計6品において,Random primer 40種類(OPERON)を用いたRandom Amplified Polymorphic DNA
(RAPD)法,TAクローニング,シークエンスにより,プライマー PT06-02を作成した.プライマーPT06-02により,鳴門金時(サツマイモ)のDNAによる品種識別が可能であった.
30)法科学の再構築-誤鑑定防止のための司法・社会システムの修復に向けて-:2020年3月 立命館人間科学研究,41,39-60
誤鑑定に象徴される我が国の法科学の諸問題を,分野横断型あるいは学・実連携型の人間科学的アプローチによって紐解き,司法システムにおける法科学の問題を理解するとともに,誤鑑定防止のための司法・社会システムの修復への手かがりを見いだした.
31)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第7報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して:2020年8月 DNA多型,28,41-45
鳴門金時(徳島県鳴門市産),鳴門金時(徳島県徳島市産),とみつ金時(福井県福井市産)のサツマイモ3品のうち,鳴門金時(徳島県鳴門市産),鳴門金時(徳島県徳島市産)の2品は,プライマー(PT06-02)およびランダムプライマー(OPA20)を用いた
DNA 鑑定により,産地識別が可能であった.今後,とみつ金時(福井県福井市産)を含めた各地のサツマイモの DNA による産地識別を検討する.
32)徳島県特産物の新・鑑定法~第8報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して~:2021年8日 DNA多型,30,43-45
すだち(徳島県神山町産)と,すだち(徳島市渋野町産)の2品は,プライマー(PT08-02)を用いたDNA鑑定により,産地識別が可能であった.なお,すだち(徳島県神山町産)と,ゆず(徳島県上勝町産)の2品は,プライマー(PT08-02)を用いた
DNA 鑑定では,品目,産地識別が不可能であったので,今後,検討する.
33)科学捜査官:犯罪の真実を明らかに:1992年10月 化学と薬学の教室,廣川書店(東京),107,27-29
科学捜査官の紹介,薬学と関わり,実際の事件の科学捜査を解説した。
34)Dating of human blood by electron spin resonance spectroscopy:1989年Naturwissen-schaften,76,24-25
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期(270日)に血痕中のヘモグロビン分解を測定し,モグロビン分解過程を指標として,経過日数を判定する方法を開発した。
35)土壌の裁判化学的研究(第1報)土壌の熱分解生成物を指標とする地域特定について:1992年 衛生化学,38,38-44
事件現場に遺留の微量土壌が犯罪捜査で,重要な役割を果たす。その地域推定,異同識別の指標として,熱分解生成物が有効である証明をした。
36)フクジュソウ毒の LC/MS による分析:2002年 法中毒,20,34-41
ヒト尿,血清,フクジュソウ乾燥根茎から,その毒のシマリンの LC/MS 分析法を確立した。
37)Personal identification from skeletal remain by D1S80, HLA DQA1, TH01
and polymarker analysis:2002年2月 The Journal of Medical Investigation,49
,83-86
変死者の骨から血液型,DNA 型を検出し,親子関係を証明した。
38)Forensic casework of personal identifi cation using a mixture of body
fluids from more than one person by Y-STRs analysis:2004年8月 The Journal
of Medical Investigation,51,238-242
複数犯による強姦事件において,現場遺留の絆創膏付着の汗から,血液型,男性由来 Y-STR 型を含むDNA 型を検出,被疑者を特定をした。Y-STR
型の有用性を示した。
39)Y-STRs により複数人由来体液斑から被疑者を特定した鑑定例:2004年 DNA 多型,12,151-154
複数犯による強姦事件において,現場遺留の絆創膏付着の汗から,血液型,男性由来 Y-STR 型を含むDNA 型を検出,被疑者を特定をした。Y-STR
型の有用性を示した。
40)Population study of Y-chromosome STR haplotypes in Japanese from Tokushima:2005年
International Journal of Legal Medicine,119,172-176
徳島県在住の男性の9つの Y-STR 型を判定し,出現頻度から男性の個人識別における有用性が証明された。
41)徳島地方の赤血球酸性ホスファターゼ酵素型の分布について:1975年10月 化学と薬学の教室,廣川書店(東京),46,69-71,
赤血球酸性ホスファターゼの検出に特異性の高い 4-MUP を用い,徳島地方の本酵素型分布を調査したところ,遺伝子頻度は日本人集団の値内で,識別精度の向上に役立つものと証明した。
(発表)
1)毛髪の裁判化学的研究(第二報):液体整髪料の毛髪付着残留成分について(Ⅱ):1985年4月 日本薬学会第105年会(金沢)
液体整髪料(ヘアリキッド)の毛髪に残留する成分の抽出法,GC 及び GC-MS 分析法を開発し,銘柄の推定の可能性を示した。
2)毛髪の裁判化学的研究(第5報):女性頭髪用化粧品類の毛髪付着残留成分について:1986年10月 第25回日本薬学会中国四国支部大会(米子)
女性頭髪用化粧品類,育毛料の毛髪に残留する成分を GC 及び GC-MS 分析し,成分の残留状態を分析,銘柄の推定の可能性を示した。
3)毛髪の裁判化学的研究(第6報):女性頭髪用化粧品類及び染毛料の毛髪付着残留成分について:1987年4月 日本薬学会第107年会(京都)
女性頭髪用化粧品類,育毛料,染毛料の毛髪に残留する成分を GC,熱分解 GC 及び GC-MS 分析し,成分の残留状態を分析,銘柄の推定の可能性を示した。
4)形態及び付着成分による毛髪の一鑑定例:1988年4月 日本薬学会第108年会(広島)
傷害事件で現場採取の毛髪付着成分から被害者の使用したヘアスプレーを特定し,被疑者検挙に結びついた鑑定例を示した。
5) 毛髪の裁判化学的研究(第7報):毛髪付着残留成分からの頭髪用化粧品類(酸化染毛料)の銘柄識別について:1989年4月 日本薬学会第109年会(名古屋)
最近,普及している酸化染毛料の毛髪に残留する成分を GC,熱分解 GC及び GC-MS 分析し,成分の残留状態を分析,銘柄の推定の可能性を示した。
6)ESR 法による血痕の付着経過日数の判定について:1989年5月 第11回磁気共鳴医学会(松山)
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期に血痕の経過日数を判定する方法を開発し,付着基質によるヘモグロビン分解の差違を証明した。
7)強姦被害者の糞便中に存在する精液の検出証明法:1990年4月 第74次日本法医学会総会(那覇)
強姦被害者の糞便中から精子が検出された鑑定例を示し,糞便中における前立腺由来酸性ホスファターゼの安定性,精子証明,ヒト精液抗原の証明,血液型の検出法を開発した。
8)ESR 法による血痕の付着経過日数の判定について(第2報):1990年5月 第12回磁気共鳴医学会(東京)
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期間(約1年),血痕のヘモグロビン分解を測定し,経過日数の判定において温度,光の要因を考慮する必要がある第8回日本法医学会中四国地方会(徳島)。
9)血痕経過日数の判定(第2報)-MCPD法-:1991年10月 第8回日本法医学会中四国地方会(徳島)
瞬間マルチ測光システム(MCPD)法により血痕の経過日数を判定する方法を開発し,オキシヘモグロビンとメトヘモグロビンの増減を指標として,短期間(1週間)での本法の有用性が証明された。
10)血痕の経過日数の判定(第3報)-MCPD法-:1992年4月 第76次日本法医学会総会(金沢)
瞬間マルチ測光システム(MCPD)法により血痕の経過日数を判定する方法を開発し,オキシヘモグロビンとメトヘモグロビンの増減を指標として,短期間(1週間)での本法の有用性が証明された。また,血痕類似の醤油,ソース,だ液等の体液との識別も可能であった。
11)ヒトヘモグロビンを指標としたモノクロナール抗体サンドイッチハイブリダイズによる新しい人血鑑別法(テストプレート法):1997年4月 第81次日本法医学会総会(鹿児島)
新しい法医免疫学的人獣鑑別法(サンドイッチ・ハイブリダイゼーション法)による人血証明法を開発し,さらに,その犯罪現場用器具を考案した。
12)連続強姦未遂事件において遺留された異なる資料からの血液型・DNA型鑑定による同一犯人の証明:2000年12月 日本DNA多型学会第9回学術集会(横浜)
連続強姦未遂事件2件において,現場遺留の血痕,だ液から血液型,DNA 型を検出,同一犯の証明をし,被疑者を特定した。
13)膣液・唾液混合資料からのDNA型鑑定:2001年4月 第85次日本法医学会総会(久留米)
強姦未遂事件で被害者から採取された膣液からだ液の混在を証明,さらに血液型,DNA 型を検出し,被疑者の犯行を証明した。
14)夫殺害約1年後に海中から発見された母子心中の親子鑑定例:2002年10月 第19回日本法医学会中四国地方会(山口)
夫殺害後,妻が子供を連れて,海中に無理心中し,1年後,発見され,その骨の血液型,DNA 型を検出し,親子関係を証明した。
15)身元確認のための DNA 型判定に及ぼす死後変化の影響の検討:2003年4月 第87次日本法医学会総会(富山)
死体の採取試料,死後経過期間,発見場所,状態により,DNA 型の検出率が異なることを証明し,法医分野の個人識別の可能性を示した。
16)Profiler Kit と3種類の Y-STRs を用いた精液・唾液の混合体液からの DNA 多型分析例:2004年6月 第88次日本法医学会総会(旭川)
強姦事件において,精液と唾液の混合体液が付着した資料について個人識別を目的として Profiler Kit と3種類の Y-STRs を含む21種類の
DNA 多型検査を実施した結果,犯人特定できた。
17)精液混合体液からの精子由来 DNA の迅速・簡易な抽出法の開発:2005年4月 第89次日本法医学会総会(高松)
混合体液から精子 DNA の簡易,迅速抽出法を開発し,性犯罪において,本法の有用性を証明した。
18)AmpFlSTR Profiler PCR Amplification Kitによる陳旧血痕からのSTR判定:2006年4月 第90次日本法医学会総会(福岡)
血痕からのDNA型判定は,犯罪鑑識科学において極めて重要である。AmpFlSTR Profiler PCR Amplification Kitを用いて陳旧血痕からのSTR型判定を行なうとともに検出限界について検討を行なった。
19)ABO式血液型とDNA型の由来が異なった強盗致傷事件遺留物の1鑑定例:2007年5月 第91次日本法医学会総会(秋田)
強盗致傷事件において被疑者が犯行時に使用したニット帽に付着した体液のABO式血液型とDNA型の由来が異なった鑑定例を報告した。
20)DNA型鑑定と精度管理~誤鑑定の防止策~:2010年11月 第47回日本犯罪学会総会(東京)
日本における犯罪鑑識のためのDNA型鑑定は1990年から始まり,現在に至っている。今回,このDNA鑑定の精度と管理を高めるに,検査技術以外の鑑定資料採取,鑑定作業,鑑定書作成時において発生する誤鑑定要因とその防止策を報告した。
21)「法科学研究所」創設への提言~冤罪のない安全と安心の日本を目指して~:2011年12月 第48回日本犯罪学会総会(埼玉)
日本の犯罪捜査において,犯罪現場に遺留された物体などの大部分の鑑定は都道府県警察の科学捜査研究所(科捜研)で行っている。しかしながら,科捜研は警察の組織の中であるが故に,鑑定結果に対して中立性・客観性に疑念が持たれている。そこで,それらを向上させ,鑑定が関与する冤罪の絶無のための方策として,「法科学研究所(法科研)」の創設を検討し報告した。
22)DNAによる薬用植物の新・鑑定法~第1報~偽造・異物混入のない安全と安心の健康生活を目指して:2012年3月 日本薬学会第132年会(札幌)
薬用植物は,日本人の健康志向を反映して広く用いられている。しかしながら,それらを服用するときは,加工や抽出をするため原形をとどめず植物形態学的検査による品種識別は困難となる。また,偽造や異物混入も考えられ,安全と安心の健康生活を目指してDNAによる薬用植物の新・鑑定法を報告した。
23)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第 1報~産地偽装のない 安全と安心の食生活を 目指して:2012年11月8,9日 日本DNA多型学会第21回学術集会(京都)
ランダムプライマー40種類 を用いたRAPD 法により,徳島,愛媛,福岡,熊本の各県の特産物(合計10品)のDNA多型が確認された.STS化プライマーTKN01-1,TKN01-2を作成し,タケノコ(モウソウチク,マダケ)の種識別に有効であった.
24)元科学捜査官による「DNA鑑定」の検証(その1)~冤罪のない安全と安心の日本を目指して~:2012年12月1日 第49回日本犯罪学会総会(東京)
「DNA鑑定」は,「安全と安心の日本づくり」に絶対的に不可欠であり,事実,多大な効果を発揮し難事件の解決に寄与している.しかしながら,不完全な鑑定手法により冤罪が生まれているのも事実である.いつの時代も「科学」を駆使して社会貢献を目的とする科学者は良心に従い,謙虚に,忠実に鑑定資料と対峙し,社会正義を貫くことにより冤罪のない安全と安心の日本を目指すことが日本の繁栄に繋がる.
25)DNAによる薬用植物の新・鑑定法~第2報~偽造・異物混入のない安全と安心の健康生活を目指して:2013年3月27~30日 日本薬学会第133年会(横浜)
アカンサス,人参において,再現性,特異性の高いプライマーが作成でき,それらの品種識別に有用であることが証明された.
26)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第2報~産地偽装のない安全と安心の食生活を目指して:2013年11月21,22日 日本DNA多型学会第22回学術集会(仙台)
洋蘭マリーローランサン・株根・葉のDNAによる品種識別が可能であった.
27)元科学捜査官による「DNA鑑定」の検証(その2)~冤罪のない安全と安心の日本を目指して~:2014年10月11日 第51回日本犯罪学会総会(東京)
鑑定は真実の証明が目的であるが,疑問に思っても犯人逮捕が第一使命の警察組織では捜査方針に沿った鑑定が要求されることも推測される.誤認逮捕による社会的信用失墜の被害が我々にいつ降りかかっても不思議ではない.国民一人一人が監視の目を持ち,人権を守り人類平和・発展のためにも「科学の名による冤罪」と言われる過ちを二度と犯してはならない.
28)DNAマルチ肉種鑑別法における肉種識別マーカーの作成~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して~:2014年11月27,28日 日本DNA多型学会 第23回学術集会(名古屋)
電気泳動においてブタは約400bp,ヒツジは約350bp,ウシは約280bp,ニワトリは約200bpにバンドを確認することができた.食肉4種のPCR増幅産物をブタ,ヒツジ,ウシ,ニワトリ=1:2:1:1の割合で混ぜたところ,最適な肉種識別マーカーが作成できた.サイズマーカー(100bpラダーマーカー)と作成した肉種識別マーカーを同時に電気泳動することにより,より正確な肉種識別が可能であった.
29)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第3報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して~:2015年11月19,20日 日本DNA多型学会第24回学術集会(岡山)
徳島県の特産物であるタケノコ(モウソウチク1品),鳴門金時(サツマイモ),鳴門生わかめ,すだち,洋蘭マリーローランサン(株根,葉の2品)
計6品において,Random primer 40種類(OPERON)を用いたRandom Amplified Polymorphic DNA
(RAPD)法,TAクローニング,シークエンスにより,プライマー PT07-02を作成した.プライマーPT07-02により,鳴門生わかめのDNAによる品種識別が可能であった.今後,産地やその他の品種に特異性の高いプライマーを作成し,食品偽装のない消費者の安全と安心の食生活を目指す.
30)犯罪捜査におけるDNA鑑定の問題点:2015年11月28日 第52回日本犯罪学会総会(福岡)
日本の犯罪捜査の鑑定において,司法解剖は大学医学部法医学教室,犯罪現場に遺留された物体のDNAなどの検査は都道府県警察の科学捜査研究所(科捜研)で行っている.科捜研で未導入の鑑定については,警察庁科学警察研究所,大学の専門家が行うこともあるが,大部分の鑑定は科捜研が行っているのが現状である.しかし,科捜研は警察組織に設置されているが故に,特有の問題が生まれている.そこで,問題点を提起し,解決策を紹介する.
31)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第4報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して~:2016年12月1,2日 日本DNA多型学会第25回学術集会(千葉)
プライマー PT07-02を用いて,鳴門生わかめ(徳島県鳴門市),鳴門わかめ(徳島県鳴門市大毛島産),三陸わかめ(三陸重茂浜産/岩手県宮古市重茂)から得られたDNAを鋳型としてPCR増幅を行い,各PCR増幅産物について1.5%アガロースゲル電気泳動を行ったところ,鳴門生わかめに約200bpのバンドが認められ,それ以外の鳴門わかめ,三陸わかめには認められなかった.
プライマーPT07-02により,鳴門生わかめ,鳴門わかめ,三陸わかめの計3品において,徳島県鳴門市の鳴門生わかめの識別が可能であったが,今後,その他の原産地のわかめを検討する必要がある.
32)元科学捜査官による 「DNA鑑定」の検証(その3)~強姦事件~:2016年12月3日 第53回日本犯罪学会総会(東京)
前回,元「科学捜査官」の立場から無罪確定事案の足利事件,東電女性社員殺害事件における日本の警察のDNA鑑定を検証した.今回,ある強姦事件について,同様の検証をした.
33)元科学捜査官による「DNA鑑定」の検証(その4)~アリゾナレポートと強姦事件~:2017年9月2日 第54回日本犯罪学会総会(東京)
これまで,元「科学捜査官」の立場から3つの事件の無罪確定事案における日本の警察のDNA鑑定を検証した.今回,アリゾナレポートに基づいて,日本のある強姦事件のDNA鑑定を検証し,対策を報告した.アメリカで血縁関係のない2人のDNA型が9型一致したことから,冤罪絶無のため日本におけるDNA鑑定の検証が必要と考えられる.
34)DNAによる徳島県特産物の新・鑑定法~第5報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して~:2017年11月30日,12月1日 日本DNA多型学会第26回学術集会(東京)
食品偽装のない消費者の安全と安心の食生活を目指して,特異性の高いプライマーの作成し,すだちのDNAによる品種識別が可能であった.
35)ニューヨーク市主席医学検査官事務所におけるDNA型鑑定について(第1報):2018年11月17日 第55回日本犯罪学会総会(徳島)
アメリカ合衆国ニューヨーク市主席医学検査官事務所(The New York City Office of Chief Medical Examiner:
NYC-OCME)は,ニューヨーク市衛生局に所属し法医学による突然の異状死の捜査を行い,4つの研究所がある.その1つは,法医生物学研究所(Department
of Forensic Biology)であり,犯罪や死者に関する血清学的検査,DNA検査を行っている.今回,本研究所を視察・調査し,そこで行われているDNA型鑑定について報告した.
36)徳島県特産物の新・鑑定法~第6報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して~:2018年12月6日,12月7日 日本DNA多型学会第27回学術集会(島根・松江)
食品偽装のない消費者の安全と安心の食生活を目指して,プライマー PT08-02を用いてPCR増幅を行い,PCR増幅産物について1.5%アガロースゲル電気泳動を行ったところ,すだちの識別が可能であった旨を,本学会第26回学術集会で報告した.今回,特異性の高いプライマーの作成し,鳴門金時(サツマイモ)のDNAによる品種識別が可能であったので報告した.
37)徳島県特産物の新・鑑定法~第7報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して~:2019年11月28日,11月29日 日本DNA多型学会第28回学術集会(京都市・京都大学)
鳴門金時(徳島県鳴門市産),鳴門金時(徳島県徳島市産),とみつ金時(福井県福井市産)のサツマイモ3品のうち,鳴門金時(徳島県鳴門市産),鳴門金時(徳島県徳島市産)の2品は,プライマー(PT06-02)およびランダムプライマー(OPA20)を用いたDNA鑑定により,産地識別が可能であった.今後,とみつ金時(福井県福井市産)を含めた各地のサツマイモのDNAによる産地識別を検討する.
38)ニューヨーク市主席医学検査官事務所におけるDNA型鑑定について(第2報):2019年11月30日 第56回日本犯罪学会総会(東京・専修大学)
アメリカ合衆国ニューヨーク市主席医学検査官事務所(The New York City Office of Chief Medical Examiner:
NYC-OCME)は,ニューヨーク市衛生局に所属し法医学による突然の異状死の捜査を行い,4つの研究所がある.その1つは,法医生物学研究所(Department
of Forensic Biology)であり,犯罪や死者に関する血清学的検査,DNA検査を行っている.今回,本研究所を視察・調査し,そこで行われているDNA型鑑定について前回に続き報告した.
39)元科学捜査官による「DNA鑑定」の検証(その5)~殺人事件~:2020年11月28日 第57回日本犯罪学会総会(東京・東京医科歯科大学)
ある殺人事件のDNA型鑑定を検証した.科捜研におけるDNA型鑑定には問題点があり,詳細な再検討が必要であると考えられる.日本犯罪学会誌の総説「DNA型鑑定における精度管理」発表後でも本事例のように適正な鑑定が行われていないので,厳格な体制・マニュアルの整備が急務である.
40)元科学捜査官による「DNA鑑定」の検証(その6)~邸宅侵入,強制わいせつ事件~:2021年11月27日 第58回日本犯罪学会総会(東京・国際医療福祉大学)
ある邸宅侵入,強制わいせつ事件のDNA型鑑定を検証したので報告する.「スタターピークの判定は,Yfilerの ユーザーマニュアに示された基準に忠実でなければならず,状況に応じた解釈をしてはならない.」と考えるが,事件によって判定基準が変わることが妥当かどうか検討する必要がある.発表者による犯罪学雑誌の総説「
DNA型鑑定における精度管理 (2011年)」発表後でも本事例があり,厳格なマニュアルの整備が急務である.
41)徳島県特産物の新・鑑定法~第8報~食品偽装のない安全と安心の食生活を目指して~:2021年12月3日,12月4日 日本DNA多型学会第30回学術集会(広島市・広島大学大学)
すだち(徳島県神山町産)と,すだち(徳島市渋野町産)の2品は,プライマー(PT08-02)を用いたDNA鑑定により,産地識別が可能であった.なお,すだち(徳島県神山町産)と,ゆず(徳島県上勝町産)の2品は,プライマー(PT08-02)を用いたDNA鑑定では,品目,産地識別が不可能であったので,今後,検討する.
42)毛髪の裁判化学的研究(Ⅰ):毛髪に付着残留する成分からの整髪料の異同識別について:1984年11月 第23回日本薬学会中国四国支部大会(岡山)
整髪料(ヘアリキッド)の毛髪に残留する成分の抽出法,GC 及び GC-MS 分析法を開発し,銘柄の推定の可能性を示した。
43)被服繊維の裁判化学的研究(第3報)熱分解 GC-MS による獣毛の異同識別:1986年10月 第25回日本薬学会中国四国支部大会(米子)
事件現場に遺留の微量獣毛が犯罪捜査で,重要な役割を果たす。その異同識別の指標として,熱分解生成物が有効である証明をした。
44)熱分解 GC による油類の裁判化学的研究(第2報):1988年4月 日本薬学会第108年会(広島)
事件現場に遺留の油類が犯罪捜査で,重要な役割を果たす。その異同識別の指標として,熱分解生成物が有効である証明をした。
45)特異な精液の鑑定例:1989年5月 第73次日本法医学会総会(岡山)
変死者の胃液,強制わいせつ事件の女性被害者の糞便中から前立腺由来酸性ホスファターゼ,精子,ヒト精液抗原,血液型が検出された鑑定例を示した。
46)人血液の年代測定(Ⅱ):1989年6月 第5回 ESR 応用計測研究発表会(大阪)
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期に血痕の経過日数を判定する方法を開発し,付着基質によるヘモグロビン分解の差違を証明した。
47)土壌の裁判化学的研究(第3報)有機成分を指標とする地域特定について:1990年10月 日本薬学会中国四国支部大会(広島)
事件現場に遺留の微量土壌が犯罪捜査で,重要な役割を果たす。その地域推定,異同識別の指標として,有機成分が有効である証明をした。
48)土壌の裁判化学的研究(第5報)土ダニを指標とした土壌鑑定の可能性:1991年10月 日本薬学会中国四国支部大会(高知)
事件現場に遺留の微量土壌が犯罪捜査で,重要な役割を果たす。その地域推定,異同識別の指標として,土ダニの有効性を検討した。
49)土壌の裁判化学的研究(第6報)砂中の有機成分を指標とする地域特定について:1992年4月 日本薬学会第108年会(福岡)
事件現場に遺留の微量の砂が犯罪捜査で,重要な役割を果たす。その地域推定,異同識別の指標として,有機成分が有効である証明をした。
50)パラコートの中枢神経障害に関する実験的研究::1997年11月 第14回日本法医学会中四国地方会(広島)
パラコートをラットに投与したところ,グリア系細胞は,脱落,膨化,減少し,パラコート投与量を反映していた。
51)パラコートの中枢神経障害に関する実験的研究:1998年4月 第82次日本法医学会総会(東京)
パラコートをラットに投与したところ,グリア系細胞は,著明に減少し,パラコート投与量を反映していた。高濃度のパラコート投与例で,神経細胞に形態的変化がないことは,中毒死例と一致していた。
52)連続強姦未遂事件において遺留された異なる資料からの血液型・DNA 型鑑定による同一犯人の証明:2000年11月 日本鑑識科学技術学会第6回学術集会(東京)
連続強姦未遂事件2件において,現場遺留の血痕,だ液から血液型,DNA 型を検出,同一犯の証明をし,被疑者を特定した。
53)ESI-LC/MS によるフクジュソウ毒の分析:2001年11月 日本鑑識科学技術学会(第7回)(東京)
ヒト尿,血清,フクジュソウ乾燥根茎から,その毒のシマリンの ESI-LC/MS 分析法を確立した。
54)ESI-LC/MS によるフクジュソウ毒の分析:2002年3月 日本薬学会第122年会(千葉)
ヒト尿,血清,フクジュソウ乾燥根茎から,その毒のシマリンの ESI-LC/MS 分析法を確立した。
55)Y-STRs により複数人由来体液斑から被疑者を特定した鑑定例:2003年11月 日本 DNA 多型学会第12回学術集会(東京)
複数犯による強姦事件において,現場遺留の絆創膏付着の汗から,血液型,男性由来 Y-STR 型を含む DNA 型を検出,被疑者を特定をした。Y-STR
型の有用性を示した。
56)Application of FTA® technology to extracting sperm DNA from semen-mixed
body fluid:2005年9月 6th International Symposium on Advance in Legal Medicine
(Hamburg)
混合体液から精子の DNA の簡易,迅速抽出法を開発し,性犯罪において,本法の有用性を証明した。
57)毛髪中覚せい剤鑑定状況と使用時期推定に関する研究:2007年3月 日本薬学会第127年会(富山)
毛髪中の覚せい剤使用の時期推定のとき,頭皮内の毛根部等の要因を考慮しなければならないことを証明した。
58)ヒト胃液中における前立腺由来酸性ホスファターゼの安定性について:1893年11月 昭和58年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
精液が胃液と混合した場合,精液中の前立腺由来酸性ホスファターゼ活性は,pH により安定性が異なることを証明し,精液証明の限界を示した。
59)ヒト胃液中における前立腺由来酸性ホスファターゼの安定性について:1983年11月 第28回四国鑑識科学研究発表会(高知)
精液が胃液と混合した場合,精液中の前立腺由来酸性ホスファターゼ活性は,pH により安定性が異なることを証明し,精液証明の限界を示した。
60)毛髪に付着残留する成分からの整髪料の銘柄識別について(第一報):1984年11月 昭和59年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
液体整髪料(ヘアリキッド)の毛髪に残留する成分の抽出法,GC 及び GC-MS 分析法を開発し,銘柄の推定の可能性を示した。
61)毛髪に付着残留する成分からの整髪料の銘柄識別について(第一報):1984年11月 第29回四国鑑識科学研究発表会(松山)
液体整髪料(ヘアリキッド)の毛髪に残留する成分の抽出法,GC 及び GC-MS 分析法を開発し,銘柄の推定の可能性を示した。
62)毛髪に付着残留する成分からの頭髪用化粧品類の銘柄識別について(第二報):1985年11月 昭和60年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
液体整髪料(ヘアリキッド,ヘアトニック),ヘアシャンプー,ヘアリンスの毛髪に残留する成分の抽出法,GC 及び GC-MS 分析法を開発し,銘柄の推定の可能性を示した。
63)毛髪に付着残留する成分からの頭髪用化粧品類の銘柄識別について(第二報):1985年11月 第30回四国鑑識科学研究発表会(高松)
液体整髪料(ヘアリキッド,ヘアトニック),ヘアシャンプー,ヘアリンスの毛髪に残留する成分の抽出法,GC 及び GC-MS 分析法を開発し,銘柄の推定の可能性を示した。
64)毛髪に付着残留する成分からの頭髪用化粧品類の銘柄識別について(第3報):1986年11月 昭和61年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
女性頭髪用化粧品類,育毛料の毛髪に残留する成分を GC 及び GC-MS 分析し,成分の残留状態を調べ,銘柄の推定の可能性を示した。
65)毛髪に付着残留する成分からの頭髪用化粧品類の銘柄識別について(第3報):1986年11月 第31回四国鑑識科学研究発表会(徳島)
女性頭髪用化粧品類,育毛料の毛髪に残留する成分を GC 及び GC-MS 分析し,成分の残留状態を調べ,銘柄の推定の可能性を示した。
66)形態及び付着成分検査による毛髪の一鑑定例:1987年11月 昭和62年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
傷害事件で現場採取の毛髪付着成分から被害者の使用したヘアスプレーを特定し,被疑者検挙に結びついた鑑定例を示した。
67)形態及び付着成分検査による毛髪の一鑑定例:1987年11月 第32回四国鑑識科学研究発表会(高知)
傷害事件で現場採取の毛髪付着成分から被害者の使用したヘアスプレーを特定し,被疑者検挙に結びついた鑑定例を示した。
68)ESR 法による血痕の付着経過日数の判定について:1988年11月 昭和63年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期に血痕の経過日数を判定する方法を開発し,付着基質によるヘモグロビン分解の差違を証明した。
69)毛髪付着残留する成分からの頭髪用化粧品類(酸化染毛料)の銘柄識別について(第4報):1988年11月 昭和63年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
最近,普及している酸化染毛料の毛髪に残留する成分を GC,熱分解 GC及び GC-MS 分析し,成分の残留状態を調べ,銘柄の推定の可能性を示した。
70)ESR 法による血痕の付着経過日数の判定について:1988年11月 第33回四国鑑識科学研究発表会(松山)
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期に血痕の経過日数を判定する方法を開発し,付着基質によるヘモグロビン分解の差違を証明した。
71)毛髪付着残留する成分からの頭髪用化粧品類(酸化染毛料)の銘柄識別について(第5報):1989年11月 平成元年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
最近,普及している酸化染毛料の毛髪に残留する成分を TLC,GC,熱分解 GC 及び GC-MS 分析し,成分の残留状態を調べ,銘柄の推定の可能性を示した。
72)ESR法による血痕の付着経過日数の判定(第2報):1989年11月 平成元年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期間(約1年),血痕のヘモグロビン分解を測定し,経過日数の判定において温度,光の要因を考慮する必要がある。
73)強姦被害者の糞便中に存在する精液の検出証明法:1989年11月 平成元年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
強制わいせつ事件の女性被害者の糞便中から前立腺由来酸性ホスファターゼ,精子,ヒト精液抗原,血液型が検出された鑑定例を示した。
74)ESR法による血痕の付着経過日数の判定(第2報):1990年12月 第35回四国鑑識科学研究発表会(徳島)
電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,長期間(約2年),血痕のヘモグロビン分解を測定し,経過日数の判定において温度,光の要因を考慮する必要がある。
75)血痕経過日数の判定(第3報)-MCPD 法-:1991年11月 平成3年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
瞬間マルチ測光システム(MCPD)法により血痕の経過日数を判定する方法を開発し,オキシヘモグロビンとメトヘモグロビンの増減を指標として,短期間(72時間)での本法の有用性が証明された。また,血痕類似物質,体液も本法で識別可能であった。
76)精液の一検査例=胃内容液(物)からの=について:1980年11月 昭和55年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
女性変死者の胃内容物から精子を確認したが,液体と胃液が混ざった場合,精子の顕微鏡による形態学的検査は可能であった。
77)精液の一検査例=胃内容液(物)からの=について:1980年11月 第25回四国鑑識科学研究発表会(松山)
女性変死者の胃内容物から精子を確認したが,液体と胃液が混ざった場合,精子の顕微鏡による形態学的検査は可能であった。
78)被服繊維の裁判化学的研究(第1報)~熱分解 GC-MS による繊維の異同識別:1985年11月 第30回四国鑑識科学研究発表会(高松)
事件現場の犯人特定の手掛りとして,微物,特に繊維があげられる。その繊維の客観的な異同識別の指標として,熱分解生成物が有効である証明をした。
79)被服繊維の裁判化学的研究~熱分解 GC-MS による獣毛の異同識別:1986年10月 昭和61年度鑑識科学研究発表発表会(化学部会)(東京)
事件現場に遺留の微量獣毛が犯罪捜査で,重要な役割を果たす。その異同識別の指標として,熱分解生成物が有効である証明をした。
80)尿中コカインの鑑定事例について:1988年11月 第33回四国鑑識科学研究発表会(松山)
大麻乱用事件において,所持していたコカイン粉末,8名の被疑者の尿の GC-MS 分析法による鑑定例を示した。
81)土砂の裁判化学的研究~有機成分を指標とする地域特異性について:1989年11月 第34回四国鑑識科学研究発表会(高松)
事件現場に遺留の微量の土砂が犯罪捜査で,重要な役割を果たす。その地域推定,異同識別の指標として,含有する有機成分を熱分解 GC 分析のパイログラムが有効である証明をした。
82)土砂の裁判化学的研究~有機成分を指標とする地域特異性について:1990年10月 平成2年度鑑識科学研究発表発表会(化学部会)(東京)
事件現場に遺留の微量の土砂が犯罪捜査で,重要な役割を果たす。その地域推定,異同識別の指標として,含有する有機成分を熱分解 GC 分析のパイログラムが有効である証明をした。
83)血痕経過日数の判定(第4報)-MCPD 法-:1992年11月 平成4年度鑑識科学研究発表会(法医部会)(東京)
瞬間マルチ測光システム(MCPD)法により血痕の経過日数を判定する方法を開発し,オキシヘモグロビンとメトヘモグロビンの増減を指標として,短期間(72時間)での本法の有用性が証明された。また,温度による変化も検討したところ,温度上昇に伴いメトヘモグロビンの増加がみられた。
84)カーワックスの異同識別について:1994年11月 第39回四国鑑識科学研究発表会(徳島)
ひき逃げ事件で塗膜が被疑車両特定に威力を発揮するが,それに処理されたカーワックスも決め手となる。そこで,クロロホルムにより成分抽出し,顕微赤外分光高度計により分析したところ,スペクトルに差が見られ,異同識別の可能性を示した。
85)DNA の酸化的損傷に関する実験的研究:1994年11月 第39回四国鑑識科学研究発表会(徳島)
パラコート中毒時による DNA の酸化的損傷を調べたところ,肺に8-ヒドロキシデオキシグアノシンが多く検出され,他の臓器より損傷が大きかった。
以上